いい家の条件って?
- 2016.03.17
- 建築
どうして「デザインがいい家」がいいのかって改めて聞かれると、とても困ります。
考えてみればデザインなんて二の次で、住むことができればいいじゃないか、
家って生活ができればいいじゃないの、という意見もまああるかなとも思います。
いい悪いは別として。
昔、友達が家を建てたときに、毎晩仕事から帰ってきて建てた家を眺めながら
「ああ、この家のローンを払うのか」と嘆いていました。
うーん、切実だねと返事をしたのですけど、うまく答えてやることができませんでした
(内心、僕に頼めばよかったのにと思ったけど、そこはまあ、あれですから)。
その友達のおかげで、いい家の条件の一つが頭に浮かんだのです。
「ただいま、と帰ってきたくなる家」
村上春樹さんの小説を読むと、
読後に片付けやらアイロンがけやら、スパゲッティを茹でてみたくなりませんか。
僕はなります。
それはとても日常的で、
斬新さや世界平和やカタストロフィとはまったく異なる、生活という日常業務がいとおしく思えるからです。
村上さんはエッセイの中で「文化的雪かき」と言っていました。
ハルキさんの小説の面白さと世界中の読者に支持されている訳はここにあります。
これを住宅デザインに置き換えてみると・・・、いい家の条件二つ目が見えてきましたね。
「なんでもない日常が特別なものへ変わる家」
料理を作ったりごはんを食べたり、おしゃべりをしたりテレビを見たり・・・。
そんな暮らしを邪魔しないように「いいデザイン」でしつらえる。ここがいちばん大事だと思います。
じつはこの「いい家の条件」はもっといっぱいあるのですが、それはまたの機会に。
大分の木造住宅
府内町家もご覧ください。
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