とても文学な、いえづくり
- 2017.06.19
- 建築
先日村上春樹さんの新刊「騎士団長殺し」を読み終えました。
あまりにおもしろかったので、
でたばかりの川上未映子さんによる村上さんインタビュー「みみずくは黄昏に飛びたつ」まで読んでしまって、
どっぷりと春樹ワールドにひたっています。
今回も小説の主人公はよく料理を作ります。
とにかく村上さんの小説の主人公は
1.しずかな場所に住んでいて、
2.料理をよく作り、
3.クラシックやジャズをよく聴くのです。
村上小説の優れた効用は、
なぜか読後に「アイロンをかけたり片づけをしたくなり、料理を作りたくなる」こと。
生活臭さはまったくないにもかかわらず、暮らしの所作の描写がとても多く、特別ではない特別感を味わえます。
わたしたちの生活はなにも特別なところはないけれど、
わたしたちじしんにとっては、かけがえのない特別なものなんだ、ということに気付かせてくれる物語なのです。
すぐれた住宅はすぐれた暮らしとともにあります。
すぐれた文学の基層にある「特別ではない特別感」がより良い家づくりの、実は、とても大切な考え方なのです。
大分の木造住宅
府内町家もご覧ください。
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