家づくりにおいて暮らしをデザインするということ
- 2018.11.16
- 建築
先日、高山活版社さんで活版の印刷所を見せていただいた。
活版印刷というのは、亜鉛でできた活字を組み合わせて印刷の版下とするもの。
独特の凹凸ができて誠に趣がよい。平面なオフセット印刷(今の一般的な印刷)と比べると一目瞭然。肌合いというか質感のよさが断然ちがう。
こんな感じ。なんかいいでしょ。
その高山活版社の高山さんから教えていただいて、OITA DESIGN POWER 2018『Design Cafe 4』というイベントに顔を出した。場所はOPAM。もちろん国民文化祭・おおいた大茶会の一環である。
高山活版社さんのブースで、デザインとはなんぞやという話で盛り上がる。一介の印刷会社が活版という古いツールをつかってできること。それは人と製品と、そのむこうにある文化や歴史とをつなげることなんです。
はい、そうです。僕もほんとうにそう思います。
デザインの持つ使命とは、単なる見た目の美しさだけでなく、暮らしと文化といった個人と何か大いなるものとをつなげる役目があるのではないかと。『Design Cafe 4』のブースを見渡すとそんな使命を背負ったかわいらしいオブジェがいっぱいあることに気が付いた。
杉でできた馬場水車場の線香。林業県宮崎のお箸。伝統的な日本の文様のコースター。それぞれに物語があり含蓄があり、願いがある。
デザインが色と形だけでできているなんて思っている方はさっさと退場されたほうが良い。
そこにはかならず質感や空間感があり、暮らす人の息吹や懐かしさといった暮らしの「倍音」といったものが少なからず存在する。
私たちの暮らしを豊かにするものはこの「つながった感じ」なのではないだろうか。
どうせつながるのなら浅い歴史より深い文化のほうが良い。人工の物より自然の物のほうが絶対いい。
グラフィックやパッケージデザインは僕のやっている住宅建築とは畑が違うけれど、そこに流れるデザインする意思というものは、家づくりで絶対に必要なことなんじゃないかと思う。
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