リノベーションと高気密高断熱化
- 2022.01.02
- 建築
今回は少し専門的な内容になってしまいましたが・・・
先日、また一棟、府内町家リノベーションがお引渡しとなりました。
お施主様の希望もあり、リノベーションでとごまで断熱性能を引き上げられるかをテーマにプランさせていただきました。
【ダイニング画像】
新築では国の政策のあと押しもあり、ZEH住宅をはじめとする高性能住宅が増えてきましたし、住宅の省エネルギー性能や断熱性能にこだわりを持ち、勉強されているお施主様も増えてきました。
ではリノベーションではどうでしょう。
軸組まで露わにするフルリノベーションであれば、新築に近い断熱性能と気密性能にまで引き上げることは可能です。
ですが、例えば2階を全く工事しない部分リノベーションだったらどうでしょう。断熱は出来るとしても高気密化は非常に難しい。
しかし、断熱だけ良くても気密性能が担保され、計画的な換気が出来なくては安全な省エネルギー住宅とはいえません。
今回はお施主様の熱意を受けて「部分改修リノベーションでどこまで断熱・気密・計画換気を向上させることが出来るか」という難題にチャレンジさせて戴きました。
プレカットされていない柱まわりの気密処理。切断することも出来ない2階の無数にある既存の電気配線まわりの気密処理。
新築ではあり得ない手間を掛け、ようやく気密検査にこぎつけました。
【検査画像】
最善は尽くしましたが、どの程度の数値が出るのか見当もつきませんでした。
結果は
相当隙間面積 C値:0.8㎠/㎡でした。
2階を残した部分改修ではまずまずの値と手ごたえを感じましたが、同条件での比較が難しいところです。
この結果はまだまだ改善の余地は有るでしょうが、貴重な経験をさせて戴きました。
次はフルリノベならばどの程度まで高気密化できるのかチャレンジしたいと思います。
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