古民家という実践
- 2015.02.19
- 建築
最近、古民家をリノベーションする機会が増えてきました。
先日も工学院大学の先生がみえられて古民家改修の講演会を催したばかりです。
意匠という観点から見ると、私たちが感じる「気持ちよさ」の源流は日本的デザインにある気がします。
どういうところが日本的かというと「座する」という視点を大事にしている。
座った位置の視点から何がどう見えるかをものすごく大切にしていることではないでしょうか。
遠方の借景は遠くが見える場所に窓を置き、近くの庭を眺めるには地窓と言って低い位置に窓を置く。
開口部に高さの差が生まれるので、風が通りやすくなり気持ちがいい。
古民家の場合は何よりもまず、先人の意匠に素直に耳を傾けることが大事だと思います。
その土地に根ざした工法と意匠で、当時の棟梁や家人が考え抜いたしつらえをしているからです。
だから私たちはまず、耳をすますことから始めます。
谷崎潤一郎の「陰影礼讃」は光と影をデザインすることに腐心していますし、
岡倉覚三(岡倉天心)の「茶の本」はうつろうものの美について考察しています。
九鬼周造の「『いき』の構造」は、そのものズバリ「いき」についての論理的構築です。
いき、あはれ、侘びと寂び。
「かた」を作り「かた」を破る。
「そろえ」を意識しながらずらしてゆく、というデザインの日本的方法を
古民家という実践をとおして、そろえていきたいと思います。
今回はちょっと難しかったですね。
大分の木造住宅
府内町家もご覧ください。
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