家づくりの打合せを長くやっていると、

クライアントの方の心の移り変わりがわかって楽しくなるときがあります。

楽しかったりシリアスになったり、悩んだりふざけたり、

落ち込むこともあるけど元気になったりもします。

まさに一喜一憂。

大切な一生住む家のことだから、誰もが一生懸命になって考えます。

でも、肩に力が入っていてはいい家作りはできません。

だって、今話し合っているのは事務所や工場の建築ではなく、

ご家族が仲良くゆったりとすごすことのできる、あったかい家についてなのですから。

楽しいことはなんでしょう？

どんな時間が好きですか？

あなたの足元にいるのは犬ですか、猫ですか？

キッチンから立ち昇るのは、どんな匂いですか？

窓からどんな景色が見えますか？

もちろん、建築において大切なことは山ほどあります。構造、省エネ、空気環境・・・・などなど。

でも、家づくりにおいて大切なことは、

ご家族がどんな時間を「この家」ですごすのかという一点にかかっているのです。

家という構造物。家という空間を設計しながら、じつは「時間」を考えていました。

ご家族の「時間」を創造するために、僕らはそのお手伝いをしているのだと思っています。

では、そのヒントをすこしだけ。柳宗悦のことばです。

・職人が目指すべき美は「健康」

・「健康」とはいちばん自然な本来の姿

・「正常」「平常」の美が最終的な美

・自然に近いかたち

・単純でシンプルなかたち

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