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春夏秋冬 作庭ばなし 2019‐星月夜の頃 

  • 2019.09.14
  • エクステリア

 今回のコガブログは「フジバカマとアサギマダラ」のはなしです。

 

気が付けば夜が早くやって来るようになり、いつの間にか秋の気配が感じられます。いい季節だ。
今回は「フジバカマとアサギマダラ」の出会いと分かれをテーマにしてみました。
秋だからちょっとセンチメンタルなのです(笑)

 

ご存知の方も多いかもしれませんが、アサギマダラという蝶々、フジバカマの蜜を求め「旅する蝶々」
なのです。

 

*フジバカマとは

 キク科・ヒヨドリバナ属の多年草で、8月~10月頃淡い薄紫色のフワフワとした可愛い花が咲きます。香りはありませんが、乾燥させると甘い香りがするそうで、その昔、中国では「匂い袋」として使われていて、日本では薬草としても使われていた秋の七草の1つです。現在では準絶滅危惧種に指定されるほど数が減っています。

 

*アサギマダラとは

  チョウ目タテハチョウ科マダラチョウ亜科に属している蝶で、日本・中国・韓国・ヒマラヤ山脈に生息しているそうです。羽は透き通った水色「浅葱色」をしていて、とても神秘的で綺麗。蝶マニアにもかなりの人気。

 

アサギマダラはなぜフジバカマに会いに行くのか。。。。。

フジバカマには「ピロリジジンアルカロイド」という成分があり、これこそアサギマダラの生死を左右するほど必要な物なのです。これはアサギマダラの天敵にとっては毒になる成分らしく、アサギマダラはこれを摂取することで、敵から攻撃されることなく自らの身を守っているのだそうです。

また、幼虫の時はガガイモ科の葉からこの成分を摂取し身を守っているそうです。

それともう1つ、フジバカマの蜜にはアサギマダラのフェロモンの原料になるものが含まれていて、またしてもこれが無ければフェロモンを作れず子孫を残すことも出来ません。まだまだ解明されていない事も多いそうですが、アサギマダラにとってはフジバカマは欠かせない存在なのです。

 

 

それにしても小さな体で2000キロも海を渡るという報告もあるほど気合十分!!!

 

私の友人にアサギマダラを呼ぶためにフジバカマを植えている方がいました。大分でもその季節になるとアサギマダラのニュースを耳にします。
なんだかとてもロマンがある。生きていくために必要だから旅をする。

 

そんなに必要ならいつも近くにいればいいのに(笑)・・・て思うけどそうは行かないんでしょうね。

 

フジバカマも数が少なくなっているので市場で見かけたときはいつも買うようにしています、先日お引渡しをした現場でもこっそり植えました。
『蝶々呼び込みプロジェクトです』自分の庭に珍しい蝶々が何千キロも旅をして蜜を求めてやって来るて、素敵でいて切なくもある。
蜜をすったらまた旅にでる。また来年別の蝶がやって来るのを心待ちにする。

小さな小さなドラマだけど植物と蝶々の神秘的な関係性と出会いと別れ。人間と一緒ですよね、それには必ず意味がある。

 

                 *** 春夏秋冬  Chinatsu・Koga ***

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