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祖父母から受け継いだ家を あたたかく楽しい和モダンな住まいに
大分市 S様邸リノベーション
大分市郊外の隠れ里のような集落の中、古い蔵と並んで周囲に溶け込むようにたたずむS邸。室内は高い天井に見事な梁、そして広いLDKの主役は薪スト—ブ。Sさん夫妻は元バンド仲間で大の音楽好きとあって、奥様のグランドピアノとご主人のドラムセットも存在感を放っています。
ここは奥様が高校生まで過こし、祖父母が大切にしていた築200年の家。家族で1年ほど住んだものの、「冬は寒いし、段差があって小さな子どもには危ないし、傷んでいたので地震も心配。リノベ—ションか建て替えか、思案していました」と奥様。そんなとき日本ハウジングの「府内町家リノベーション」と出合ったそうです。
外観は隣に建つ古い蔵との調和も考えてデザインされた。シックなたたずまいが美しい。
古い家の天井部分を取り払い、隠れていた太い梁を見せることで、吹き抜けの広々したリビングが生まれた。ダイニングテーブルの奥がキッチンになっている。
「地域の自然素材を使うという考え方に共感しました」というこ主人は、仕事が建築関係。希少な昔の材料や大工の仕事を残したい、という思いもあったといいます。
古い家は2階建てで、広い割に実際使っているスペ—スは半分ほどだったため、まず増築で継ぎはぎになった部分を減築して平屋に。基礎を補強して耐震性や断熱性を確保し、間取りも大き<変更。庭に面した南側にLDKを配置し、寝室、子ども部屋、家族共用の書斎を設けました。古い建具も一部生かし、LDKは隠れていた梁を大胆に見せて和モダンな空間に。床は無垢の佐伯産オビスギ、壁は湯布珪藻土で仕上げました。
庭は昔のまま残し、外壁は杉板で仕上げてシックな趣に。「隣に祖父が大事にしていた蔵や納屋があるので、それらと調和する建物にしたかった」とこ主人はいいます。
生活の中で音楽が身近に感じられるようにとリビングに楽器を置いたら、自然に子どもたちもピアノに向かうように。休みの日はときどき家族で合奏を楽しむようになったそうです。取材の日も3歳のお嬢さんは笛を吹きながら楽しそうに歩き回っていました。
縁側だったところはウッドデッキに。子どもたちはお天気のいい日、ここでお昼ご飯を食べるのが楽しみだそう。
薪ストーブのあるリビング。ここを中心に家じゅうを回遊できる。
寝室は天井を低くし、収納用にロフトを設けた。
子ども部屋は将来2つに仕切れるよう広めにつくり、入口を2つ設けた。梁を利用したブランコは二人のお気に入り。
リビング横の小さな書斎。ここでお父さんは仕事をしたり、子どもたちはお絵描きをしたり。
以前のキッチンは北西にあって寒く、周囲を見通せない独立型だったため、「子どもの様子がわかる明るいキッチン」が奥様の希望でした。南向きのLDKは、キッチンからリビングや庭で遊ぶ子どもたちが見え、明る<開放的。引き戸を開ければぐるぐる回遊できるこの家が、子どもたちは大好きです。
「しっかりと断熱をしてもらったので、冬の朝起きた時も寒くないんです。スギの床は暖かくて素足が気持ちいいし、空気が澄んだ感じがします」。冬は薪ストーブひとつで家じゅうが暖かく、ピザを焼いたり焼き芋をしたり。週末にはこ主人が一週間分のたきぎを準備し、火のある生活を満喫しています。
子どもたちと一緒に珪藻土を塗り、松ヤニで真っ黒に汚れていた梁をお父さんが一生懸命磨いてくれるなど、みんなが参加して完成したリノベ—ション。気になっていた地震対策も万全で安心です。祖父母の思いを受け継いだ新築以上の住まいができ、「建て替えなくて本当によかった」と夫妻は声をそろえます。新たな命を吹き込まれた家は、これからまたた<さんの思い出を作ってくれることでしょう。
【before】もとの家は二階建てで壁はしっくい、屋根は昔ながらの粘土瓦。築200年近くを経て、基礎部分もかなり傷んでいた。
【before】天井が低く、光の入らない暗い部屋も多かったので、新居は間取りを大幅に変更し、和室もなくした。
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